ロジャー・ドナルドソン監督作「スパイ・レジェンド」("The November Man" : 2014)[DVD]

米露間に渦巻く陰謀を暴き、命を狙われた女を保護すべく奮闘する、元CIAエージェントの活躍を描くアクション・スリラー作品。

かつてノベンバーマンという異名で腕を鳴らしたCIAエージェントのデヴェローは、2008年のモンテネグロでの対テロ作戦を境に、CIAから離れ、ローザンヌで隠遁生活を送る。それから5年後のある日、かつての僚友ハンリーがデヴェローを訪ねてくる。ハンリーは次期ロシア大統領と目されるフェデロフが、自分の過去を知る者を、腕利きの殺し屋アレクサを使って片っ端から始末していると明かす。更に、デヴェローの元妻でエージェントのナタリアがフェデロフに接触を図り、フェデロフの過去に繋がるある名前を掴んだ為に抜けたいと、デヴェローに助けを求めている事を伝え、フェデロフに察知される前にナタリアを救出する様に告げる。

モスクワでフェデロフのスタッフに扮したナタリアは、隙を見てフェデロフの執務室の金庫から過去に繋がる証拠写真を見つけ出し、スマホで撮影すると脱出を図る。それに伴い、ベオグラードの米国大使館内のCIA拠点では、ハンリーの指揮の元、ナタリアの回収作戦を開始し、モスクワに待機するチームにナタリアの回収に向かわせる。その直後、フェデロフは金庫の異変を察知し、ナタリアに刺客を送る。ナタリアは刺客の猛追に遭うが、そこにデヴェローが駆け付け、ナタリアを救出する。しかし、回収チームはデヴェローの存在を感知しておらず、第三者の介入に戸惑う。CIA本部のワインスタインは、ナタリアがロシアの手に堕ちたと判断し、チームにナタリアの殺害命令を下す。デヴェローはナタリアからミラ・フィリポワという名を聞き出すと、ハンリーに伝える。その直後、ナタリアは狙撃され、スマホをデヴェローに手渡すと息絶える。怒りに打ち震えたデヴェローは、引き上げようとするチームを襲撃し、メンバーを殺害する。ところが最後に残った一人でナタリアを射殺したのが、かつて教官として作戦にも同行した、メイソンだと知り、困惑する。メイソンもかつて師事したデヴェローを前に戸惑う。メイソンが車を爆破すると、二人は互いに背を向けて去る。

ハンリーは自宅に戻ると、ミラに関するデータを検索する。その時、何者かの襲撃に遭う。一方、ニューヨーク・タイムズの記者シンプソンは、ベオグラード難民センターのソーシャルワーカー、アリスを訪ね、フェデロフについて調べている事を明かし、取材を申し入れる。ワインスタインは、デヴェローを撃たなかった理由をメイソンに問い質すと、メイソンはデヴェローが襲われたから応酬に及んだのだと主張し、デヴェローを見つけ出し説得すると告げる。ワインスタインはメイソンが射殺したのがデヴェローの妻だと明かすと、CIAへの報復を危惧し、デヴェローを排除する様に命じる。ベオグラード入りしたアレクサは、ミラが90年代末期に難民としてベオグラードに移り、アリスが支援を行うも、10年前に消息を断った事を知る。同じ頃、デヴェローはハンリー宅に侵入し、ミラとアリスの関係を知る。

アリスはレストランでシンプソンの取材に応じる。その途中、アリスは店員に扮したアレクサに誘い出されるが、デヴェローが電話で殺し屋だと伝え、アリスを救出する。そこにメイソンの率いるチームが駆け付けるが、デヴェローはメイソン達を翻弄して退け、アリスを連れて逃走する。アリスが3年前を最後にミラと会っていない事を明かすと、デヴェローは資料を入手する為にセンターへ案内させる。しかし、センターにはミラに関する情報が無く、アリスはミラが突然姿を消したと伝える。そこでデヴェローは、難民の女に売春を斡旋しているレベデンコの情報を見つける。レベデンコはチェチェン紛争時にフェデロフの右腕だった男で、デヴェローとは面識があり、2人はミラに関する情報を得る為にレベデンコの店を訪ねる。

デヴェローはフェデロフが身辺整理の為にレベデンコを狙っていると欺くと、レベデンコは発端がチェチェン紛争のきっかけとなったビル爆破で、フェデロフと共謀したCIAが爆破を実行し、結果として戦争が起こり、ロシアは石油の入手に成功したと明かす。監禁用のコンテナに拘束されたハンリーは、CIAのセリアから尋問を受け、デヴェローに独断でナタリア救出を依頼した意図を問い質される。一方、ワインスタインはメイソンにデヴェローに関する資料を手渡し、メイソンはその中から、デヴェローがかつて自分に落第の評価を下していた事実を知る。

メイソンはアパートの隣人サラと意気投合し、夜の町に繰り出した後、サラと関係を持つ。デヴェローはアリスと共に、メイソンのアパートの向かいの屋敷に侵入すると、張り込んでメイソンの様子を窺う。その最中、デヴェローはアリスが両親からロシア語を教わり、話せる事を知る。深夜、デヴェローはアリスに金を渡すと、身を隠して連絡を待つように告げ、屋敷を後にする。

 デヴェローは寝静まったメイソンの部屋に侵入すると、サラを人質に取り、メイソンを誘き出す。落第にした理由を問い質すメイソンに、デヴェローは選択を誤ったからだと告げる。更にデヴェローは、人間と殺人者の両方にはなれないと説き、手遅れでない事を証明する様に命じ、メイソンに銃を差し出す。デヴェローはサラにナイフを突きつけ、標的が親密な関係の女の大腿動脈を切ったらどうするかとメイソンに尋ねる。メイソンが逡巡している間に、デヴェローはサラの腿を切りつけるが、メイソンが手にした銃には弾が入っておらず、デヴェローは逃走する。メイソンは救急車を呼び、サラを搬送させる。

セリアの尋問に対し、ハンリーは情報では無く、人間こそがパワーだと説き、フェデロフを支配する事がCIA最大の目的だと告げる。一方、アリスはシンプソンの元を訪ね、全てを話す決意をする。しかし、そこへアレクサが現れ、シンプソンを殺すと、アリスは逃走する。メイソンはデヴェローに12歳の娘ルーシーがいる事を掴み、ワインスタインに報告する。

デヴェローはハンリーが拘束されているコンテナに押し入ると、ナタリアに根回ししなかった理由を問い質す。ハンリーは、CIA本部がフェデロフが配下にビルを爆破させ、武装勢力の仕業にしたと疑っていたところ、ナタリアがフェデロフ関与の証拠を掴んだと伝えてきた事を明かす。デヴェローはそれがCIAの仕業だと告げると、ハンリーは爆破に関与したのがワインスタインだと明かす。更にハンリーは、ミラが英語とロシア語を話せて、フェデロフの話を全て理解していた事を明かす。デヴェローはアリスがサラ本人だと察知する。

セリアはアリスが既に癌で死亡しており、別人がすり替わった事実を掴み、メイソンに伝える。その頃、アリスはレベデンコの遣いの娼婦に扮し、フェデロフの滞在するホテルに向かう。デヴェローは電話でアリスの復讐の意思を聞く。アリスはかつて目の前でフェデロフに家族を殺され、連行された後も、フェデロフの性奴として虐待されていたのである。アリスはフェデロフと二人きりになると、フェデロフを殺そうとするが、直前で怯んでしまう。そこへデヴェローが駆け付け、復讐を制止すると、過去の悪事をフェデロフに証言させ、それを録画する様にアリスに促す。デヴェローはチェチェンによるテロをでっち上げた際に、CIA側で関与した人物を問い質すと、フェデロフはハンリーだと証言する。デヴェローは写真でフェデロフに確認させ、アリスもハンリーを見ていた事が判明する。ホテルにメイソンの率いるチームが到着すると、デヴェローは、オランダ大使館に保護を求める様にアリスに告げ、逃走させる。デヴェローはメイソンとの格闘を制し、フェデロフの証言した記録を手渡して去る。

ハンリーが首謀者だと知ったメイソンとセリアは、ワインスタインに報告に向かうが、既に帰国させられた後で、ハンリーがメイソンを待ち受ける。デヴェローはアリスの泊まるホテルの部屋に辿り着くと、アリスに身を隠すように告げるが、アリスはもう逃げないと決意を表わす。デヴェローは娘の存在を明かし、自分の帰りを待っていると、ルーシーに連絡をするが、電話にはハンリーが出る。ハンリーは、メイソンの掴んだ情報を元に、既にルーシーを誘拐している事を明かし、アリスとの交換を要求する。デヴェローは、ルーシーと3人でユニクを経由し国境を越える事をアリスに提案し、駅で待つように告げ、ハンリーの元に向かう。

取引場所に現れたハンリーは、手懐けたフェデロフが大統領になれば、ロシアがNATOに入り、世界が変わると主張する。デヴェローはメイソンのスマホで、ルーシーと会話し、生存を確かめる。拠点のセリアはその発信情報を元に、密かにルーシーの監禁場所を探索する。デヴェローはアリスの居場所を偽って伝えると、ハンリーはメイソンにアリスの連行を命じる。一方、アリスは駅の端末でニューヨーク・タイムズ宛にフェデロフの戦争犯罪とシンプソンの死に関する告発記事を書く。セリアから情報を伝えられたメイソンは、ハンリーの手下を欺き、監禁場所を急襲し、ルーシーを救出する。アレクサがアリスを狙って駅に現れると、アリスは察知して逃走を図る。アレクサの撃退に成功すると、アリスは記事を書き上げて送信する。

デヴェローは、戻ったメイソンと共にハンリーを追い詰めると、ルーシーの無事を確かめる。デヴェローはアリスと駅で落ち合うと、3人でベオグラードを離れる。その後、アリスは正式にフェデロフの戦争犯罪を証言し、フェデロフとハンリーの大罪が白日の下に曝されるが、ロシア側は頑なに否定する。程なくして、次期大統領の座から退いたフェデロフは、静養先で何者かに暗殺される。

 

 

ピアース・ブロスナンのスパイ・アクションといえば、どうしても007シリーズを思い起こさずにはいられないのだが、本作はアクション要素こそ乏しいものの、スリラーとしてはそつがない作りで意外に面白かった。ロシアだけでは無く、CIAまで陰謀の裏で暗躍していた事が判明し、その辺の両者痛み分け的なバランス感覚が良い。結果ありきの強引な展開も、ブロスナンの渋さで許せてしまう。こんなダンディーなおっさんに憧れるわ。オルガ・キュリレンコは、かつてダニエル・クレイグ版の007でボンドガールを演じているだけに、ブロスナンとの組み合わせはニンマリしてしまうワケだが、市井のソーシャルワーカーにしてはスタイル良過ぎだよなぁ(笑)あと、暗殺者の女は弱過ぎて苦笑するしかなかった。

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